「年頭のご挨拶」

 新年あけましておめでとうございます。

 市民の皆様には、希望に満ちた新春をお迎えのことと、心よりお喜び申し上げます。

 日頃より、対馬市社会福祉協議会の事業並びに地域福祉活動の推進に対しましては、温かいご支援ご協力を賜わり、心から感謝申し上げます。

 さて、近年の少子高齢化や市民生活の多様化を背景に、人間関係の希薄化や家族機能の低下などから、孤立死や虐待等の様々な福祉課題や生活課題が増加しています。このことから社会保障や社会福祉の充実はもちろんのこと地域で支え合う新たな仕組みづくりが求められているように考えます。

このような中、当協議会におきましては、東日本大震災を教訓に防災・減災にも備えた地域づくりは、地域の見守りからと考え、見守りネットワーク会議を各支所単位に設置し、市民のネットワークを中心とした地域見守り活動に取り組んでおります。次年度より対馬市の委託を受けた地域見守りモデル事業を合わせて実施することとしております。

 また、高齢・障がい者の支援につきましても、介護支援専門員や訪問介護員等の地域訪問を通じた「顔の見える」関係の中から、生活課題や福祉課題を明らかにし、ひとり一人にあったサービスや制度に繋いでいけるよう支援しております。また今年度からは、障害者相談専門員を配置し障がい者の支援にも役割を担っております。

 昨年の高齢社会白書は、「人生六十五年時代」から「人生九十年時代」への移行を強調したものとなっており、高齢者像につきましても今までの支えられる側から社会を支える高齢者への転換を促しております。

 地方分権の時代、それぞれの市町村が独自色を出しながら、人生九十年時代の福祉社会の構築に向け、責任を持つこととなりますが、財政力や人口規模などの格差を超えて、住民満足度の高い福祉社会づくりには行政も市民も一緒になって、知恵や汗を出し合うことが何にもまして大切だと考えます。

対馬市市民基本条例も市民協働の視点が謳われておりますが、地域の財産は、市民の協働であり、まさしく市民力だと言わざるを得ません。

 支えられる側も支える側も同じ地域に暮らす住民同士なのだから、それぞれの立場で、自分ができるボランティアをしっかりと地域づくりに役立てていこう。そういった地域力を基盤とした福祉の取り組みこそが地域福祉のエンジンとなります。

 地域福祉の中核を担う社会福祉協議会としましても、加齢や障害により途絶えた絆を、今一度地域と結び直していく作業の中から、「誰もが、住み慣れた地域で、安心・安全に暮らせる福祉のまちづくり」を目指して、役職員一丸となって努めて参りますので、更なるご理解、ご協力をお願い申し上げます。

 最後になりましたが、皆様のご健勝とご多幸を祈念致しまして新年のあいさつとさせていただきます。

平成二十六年 元旦

              対馬市社会福祉協議会  会 長  木 寺 和 福